2022-01-21

Fashionの大きな転換期??Fashion×Techがもたらしたもの、これからのFashionは?後編

前編ではFashion産業にTechの力が加わり、様々な点での変化について述べていきました。消費者の買い方が変わったけれどもFashion産業の根幹としては普遍で、生産した完成品が手元に届くまでがゴールとして述べられてきました。消費者との接点(To C)がある企業のゴールはサービスをお客様の元に届けると事に変わりはありませんでした。可愛いピアスを耳につけてもらう、燃費がよくエコな車に乗ってもらう、記念日に雰囲気の良いお店でディナーをする。

こんな例を挙げるとすれば、まぁ当然と思いますよね。その届くまでの過程で様々な変化が起こり、市場が変わっていく様と言うのが前編までのマクロ経済的な観点でのFashion Techでしょうか?

サービスを受ける側(消費者/お客様)は付加価値(Value)を求め対価を払います。早くて美味しいもの。安くて可愛いもの。高くて希少性のあるもの。そんなんを繰り返して行くうちに価格(評価)が決まって、そして市場が出来ては消えを繰り返して行く訳です。FashionのValueって、「寒いから暑いから」みたいな所から、おしゃれをする所まで行くと「モテたいとか目立ちたい」まで色んなValueを求められます。そのちょっと背伸びしたような感覚みたいなのをくすぐるのが、多くのメーカーの勝負所のポイントでして、日々様々な試行錯誤をしています。すごく短絡的な発想ですが、かっこいい服を着て、キャンパスで注目を浴びて、声かけて、デートして、SEXして、そんなゴールを思い描きながら、渾身の1着を買いに行くストーリーはFashionに興味のある方なら、誰しもがあったかと思います。

ここで挙げた例は、実際に所有する、または体験することにValueがありました。先日のPodcastで話した、NIKEのメタバースへの進出というニュースはFashionメーカーの事業のこれからを示唆するような、ニュースでした!!

まずメタバースというのは、仮想された空間の中で様々な活動が出来るという造語です。一般的にはコンピュータネットワーク上で繋がった仮想空間の中で、コミュニケーションを取ったりする事で楽しむといったイメージで語られています。現実世界ではない第二の自分になり、非日常的な楽しみかが可能になりました。もっと分かりやすい例が最近で言うと「あつまれ どうぶつの森」をイメージすると良いでしょう。映画ではこれからのメタバースと現実世界の境目を上手く表現しているのがスピルバーグ作品の「レディ・プレイヤー1」です。

SNSの発達により共有と承認という価値観が変わりました。交換日記でパーソナルな情報と感情を承認し合っていた時代から時は進み、所有物から位置情報に至るまでありとあらゆる物に評価を受けられ、イイねやフォロワーという数字はユーザーに中毒的な楽しみを与えてきました。メタバース空間においては現実世界の自分だけではなく、第二の自分にもその中毒的な楽しみを与えてくれるようになりました。我々はZEPETOというアプリについて注目してみました。ここでは仮想の自分を着飾り、コミュニティやゲーム、Tiktokのようなショートムービを通じ様々なアカウントと繋がれます。フォロワーやLike、コメント機能ももちろんあり、分かりやすいKPIが設定できます。ZEPETOの中でアバターが着ることの出来る服やアクセサリーには有名ブランドのロゴや有名アニメとのコラボした物があります。それらを身につけることで、まるで現実世界のブランドValueを持つ事の欲求を満たしてくれるかのようです。仮想空間でもFashionを楽しむという事がもっとメジャーな事になっていくに違いがありません。

ZEPETOのアバターイメージ

さて、NIKEのニュースを語る上で外せないもう一つのキーワードはNFTです。NFTを調べると技術的な背景や言語が多く出てくるので、めっちゃ理解難しいと思うのですが、簡単にいうとNFTとは「唯一の所有権を持たせたデジタル所有物で、ブロックチェーンという技術が使われているよ」という事です。唯一やブロックチェーンがもちろんキーワードになってくるのですが、例えばピカソの絵を持っているというのは、ピカソ本人偉大さに加え、希少性が高い物であるから、高いお金で取引されている訳です。お金というのはそもそも、その国家の信用度によって価値が決まるので、それが米ドルで取引されるなら、アメリカという国が安心安全な国家であると世界中から承認されていることが、大前提として大切になってきます。一方ブロックチェーンは技術です。一筋縄に信用ではありません。NFTはブロックチェーンに紐づくので仮想通貨の価値によって、売値が決まります。そこに技術の単価が含まれたものがNFTの売値になります。技術料(仮想通貨)はマーケットで決まります。そこでドルや円に置き換えられるようになります。そしてもう一つブロックチェーンが担保するのは唯一無二という点です。コピーは存在しないのがポイントです。つまりNIKEがNFTを使って新作のスニーカーを出すということは、唯一無二のスニーカーが誕生するとう事になります。それをメタバース上で披露するというのが出来るようになりました。これがこのニュースです。

これまでは実際に所有に至る事までメーカーの事業ドメインでしたが、今後は仮想空間で実物がないものまでもが、商圏となったのです。旧来のValueだけでは図れない新たな世界が大きくなり、ビックテック企業や大手メーカーまでもが新たなTechと手を取り、商圏を拡大しているのです。Fashion Techがもたらしたものは旧来のあり方を変えるだけでなく、仮想空間進出へ大きな足掛かりとなりました。

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