タイムトラベル 60’s

Jeansの歴史年表「タイムトラベル」シリーズは第2段。今回は1960年代編

前回のタイムトラベル1950で記述した通り、1950年代後半から全国に米軍払い下げのジーンズを扱うお店が広がった。
では、その後の1960年代とジーンズはどんな関係だったのか。今回はタイムトラベル1960をお届けしよう。

全国に広がったアメリカ中古衣料を扱うお店の、特にジーンズは好調に売れその需要に応えるには、もはや米軍の払い下げ品を扱うだけでは追いつかず本国アメリカとの直接のパイプ作りが必要となっていた。

一説によると、1957年に日本から本国アメリカに渡った人物が現地の教会などに寄付された物など、全米から集められた中古ジーンズのベールを輸入する契約を交わし、そこから本格的なジーンズ輸入が始まったそう。

その後1960年代に入るとドル外貨枠の緩和から輸入業が進み、デニム生地を日本に輸入しジーンズを縫製しようとする動きも始まる。
だが、本物のデニム生地を手に入れるルートも限られていた。

直近に迫った東京オリンピック開催に向け高度成長を迎え、若者のジーンズへの憧れも高揚していた時代である。

需要の増加を見込み、ジーンズを日本で一貫製造したいという要求がより強くなるが、素材も縫製も程遠いのが現状であった。

ジーンズに使用される糸は、”中白”と言われる外側だけが紺色に染まり中側が白色のまま残された特殊な糸。
これにより、着用すると外側が削れその独特の色落ちが魅力なのだが、この特殊な構造の糸をなかなか作れず、アメリカの生地メーカーから生地を輸入しての製造がまだまだ主流であった。
この特殊な糸の開発ストーリーは、私も諸先輩方からよく聞いたものだ。

諸説あると思うが日本初の純国産デニムが生まれたのは1973年。
1960年代は、ジーンズが日本に根付きつつも、まだまだ自分達だけでは作れず
苦労をしながら開発していた時代と言えるだろう。

この1960年代の時代背景はと言うと
東京オリンピックが1964年。東海道新幹線開業も同じ1964年。

1966年にはビートルズが来日。

音楽ではボブディランなどの影響から若者の間でフォークソングが流行。
かの有名なウッドストックは1969年。

月面着陸も同じ1960年である。

ファッションではツイッギー人気からミニスカートブームなど海外からの影響が色濃く現れている。

調べていると、学生運動や様々な事件の名前が挙がるのもこの時代。1960年代もやはり激動の時代だったのだろう。
次はいよいよ70年代へ国産ジーンズの幕開けが始まる時代へ。

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