今さら聞けないオーバーオール

今やdenim fashionの中で完全に市民権を得た「overall/オーバーオール」
今年の夏はレディースを中心にちょっとしたブームも相まって、いたるところでオーバーオールをコーディネートに取り入れる方も多かった。

まずオーバーオールという単語を発する前にちょっと疑問に思う、「サロペット」との違いについて説明したい。
オーバーオールは「胸当てがついており、釣り紐のついた作業用のパンツ」が一般的な解釈で、サロペットは「釣り紐が背中でクロスしており、オーバーオールより薄手の素材で作られている」とういのが一般的な解釈である。しかしながら最近は「オーバーオール=サロペット」という解釈も広まっている、元はと言うと「オーバーオール/overall」は英語「サロペット/salopette」は仏語でsalope(汚れる)から派生した同意語の単語であった。厳密には一緒の意味だが、素材感やディテールを区別する表現として日本では、オーバーオールとサロペットを使い分けるケースが多い。

オーバーオールの説明をする前に現在の一般的なJeansスタイルを想像して欲しい。
下着のパンツを履き、その上から直接着るものが現在では当たり前のスタンダードであるが、今のjeansの始まりはオーバーオールから始まったとされている。1848年にカリフォルニアで金鉱が発見されゴールドラッシュが始まった、そのカリフォルニアの地に集まった何十万の男たちを「49’s」と呼び彼らがそこで作業するために履くズボンとして世に誕生したのが、当時生地商であったリーバイ・ストラウスが発売した、胸当てのない「オーバーオール」なのである。そこにリベットを打ち、ヘビ除けや、汚れが目立たぬようにするためにキャンバス地にインディゴ染めしたのが、現在のJeansスタイルに発展を遂げているのである。

オーバーオールの歴史をひも解くと、今のJeansの歴史に繋がる。100年以上の歴史を経てそれぞれの持つ単語の意味は変化を遂げ、そのあり方も徐々に変化を遂げているのである。来世紀にはjeans=○○なパンツという風に変わっていくのだろうか。

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